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遺言をよく知ろう!
2015年7月31日
何度か登場して頂いている栄吉さん(80)にまたしても登場して頂きましょう。
分筆登記を終え、悩みが解決したと思えた栄吉さんですが、普段から身の回りの世話をしてくれている姪っ子にも気持ちだけ残してあげたいと考えています。
その時、兄弟が揉めないよう司法書士に頼み法的に不備のない遺言書を残すことにしました。
遺言書を残すことで、本来であれば相続権のない姪っ子にも相続させることが可能となります。
ですが、書き方よっては無効となる場合や、せっかく残した遺言書の存在に気づかれず意思に反する遺産分割がなされることにもなりかねません。
あなたの大切な財産を「誰に」「どれだけ」相続させるのか明確にする為にも、遺言書は専門家の指示の下、法的に不備のない遺言書を残すことをお勧めします。
ここで軽く遺言書の種類について説明しますね!
①自筆証書遺言:全文、日付、氏名を自署し、押印することで完成です。
自分で簡単に作成できますし、遺言の内容を秘密にしておけます。
ですが、法定の方式を守らないと、無効となる場合があります。
また、相続発生後、開封前に家庭裁判所で検認を受けなければなりません。
②秘密証書遺言:自署での署名・捺印があれば全文はワープロでも可。
作成済みの遺言書を持ち、証人2人以上を連れて公証役場へ行き所定の手続きを経て完成です。
作成費用がかかりますが、遺言書の存在を認められるだけで、中身についての確認はありません。
デメリットは自筆証書遺言同様、無効になる場合があります。
相続発生後、遺言書の開封前に家庭裁判所で検認を受けなければなりません。
③公正証書遺言:公証役場にて、2人以上の証人の前で遺言の内容を口述し、公証人が筆記して作成する方法です。
証人がいる為、内容は秘密にできませんし、成費用がかかります。
ですが、役場にて原本を保管する為、紛失の心配や遺言書の存在、内容について争いが無いといったメリットがあります。
相続発生後、家庭裁判所での検認を受ける必要はありません。
※書式や細かい記載方法については省略しております。
いかがですか?遺言書と一口に言っても上記の3つの方法があるんです。
みなさんならどれを選択しますか?
「お金をかけてまで残したくないから自筆証書遺言にするわ」
『自分で書いて無効になるかもしれないならドーンと公正証書遺言を残しちゃおう!』お考えはそれぞれかと思います。
ですが、気を付けてください!!
上記に挙げた3つの方法すべてにおいて注意しなくてはならない点が2つあります。
注意点①
遺留分に注意して遺言書を作成して下さい。
というのも、民法では相続人が最低限相続できる財産について保証しています。これを遺留分と呼びます。
なので「A男には1円もやらん!!」と言っていても、この遺留分の割合に関してA男には相続する権利があるのです。
注意点②
度書いたからと言って安心してはいられません。遺言書はメンテナンスが必要なんです!
仮にですが、前述の栄吉さんが、子供(兄):子供(弟):姪っ子=4:4:2と相続させようと平成20年7月1日に自筆証書遺言を作成しました。
ですが、最近になって、子供(兄)が栄吉さんに多大な迷惑をかけました。これにより栄吉さんは子供(兄)に残す分は最少にし、その分姪っ子に残すことにしました。
ですが、子供(兄):子供(弟):姪っ子=2:4:4の割合の遺言書を新しく作成する間もなく栄吉さんが亡くなってしまった場合、最新の日付の遺言書(平成20年7月1日作成の遺言書)通り相続が行われてしまいます。
注意点②に関しては、ご自身での意識が重要となりますね。
10年前の遺言書の内容は、現在のあなたの意思に沿っていますか?財産の増減はありませんか?
遺言書は、あなたの最後の意思表示です。定期的に考え直してみるのもとても大切なことです。
注意点①に関しては、専門家であるユニバーサル総合事務所にご相談ください。
あなたの心配事や困っている事を親身にお伺いし、より良い未来のために一緒に考えさせて頂きます!
ユニバーサル総合事務所 田中
分筆?
2015年7月24日
前回、栄吉さん(80)はご自分が亡くなった後、息子達の負担軽減について考え分筆登記を行いました。
ここで、なぜ栄吉さんが分筆を行ったか少しお話させて頂きたいと思います。(前回の記事はこちら)
栄吉さんの財産は、住んでいる土地と建物、100坪の土地、預貯金500万円です。
自宅の土地(5,000万円)/自宅の建物(1,000万円)/100坪の土地(6,000万円)の価値があったとしましょう。
栄吉さんが亡くなった場合、奥様は既に他界されているので二人の息子に相続されます。
栄吉さん亡き後、下記のような対応が予想されます。
1 土地と建物、100坪の土地、全てを兄弟の共有名義にする。
2 全ての不動産を兄名義にし、兄から弟へ半額(6,000万円)の金銭を渡す。
3 土地と建物を兄が、100坪の土地を弟がそれぞれ相続する。
※いずれの場合も預貯金は250万円ずつ折半する。
一般的には、上記のように兄弟で分けることが多く見受けられます。
けれど、2番って結構難しいですよね...6,000万円をポーンと払える方は限られてきます。
また、1番の共有名義にした場合、二人の了承がない限り売却したり建物を建てたりできないんです。せっかくの資産をそのままにしておくのはもったいないですよね。
だったら、3番か!となりますが、現実はこんなにきれいに価値が半分ずつになることはほぼありません。
ですので、前回お話しした栄吉さんのように相続対策として、『分筆』という作業を行っておくことが重要になってきます。
分筆しておくことで、兄弟それぞれの名義にできますので、各自で売却や資産運用ができます。
今現在は何の問題もなく仲良くしている兄弟ですが、相続の話が出た途端に兄弟の仲が崩れてしまうことは多々あります。
兄弟の配偶者が話に入ってくることも多々ありますし、お金の話となると目の色が変わりますよね(笑)
それに、昔に比べ医療が発達しているし元気だから、相続なんて先の話だよ。と考えていても事件や事故に遭う可能性だって考えられます。
私は大丈夫!と思っているそこのあなた!!!
子供たちに不要な争いや負担をかけないよう、しっかりと相続対策の為に遺言を残しておきましょう!
遺言はあなたの財産を、あなたの考えで明確に分け与えるための大切な意思表示です。
あなたの書いた遺言の内容に沿って、しっかりと相続分配をさせるためには、法的に不備のない遺言が必要となります。
遺言については、今後詳しく書かせて頂きますね。
ユニバーサル総合事務所 田中
相続対策になるかも?!
2015年7月17日
こんにちは、事務員の田中です。
前回の土地家屋調査士についてお話しさせて頂いた際、キーポイント!といっていたのを覚えていますか?
そうなんです。広い土地をお持ちの方や複数の土地を所有されている方は知っていると得をするかもしれません。(前回の記事はこちら)
例をあげてお話しを進めさせて頂きますね。
栄吉さん(80)はご自身の住んでいる土地と建物の他に、代々受継いできた100坪の土地(更地)を所有しています。奥様は昨年逝去され、二人の息子がいます。
栄吉さんは、自分が亡くなった後のことを考え、息子達に迷惑と負担をかけないよう、100坪の土地をどうするか考えています。
①
等分して息子達に残す
②
売却
③
建物を建てて貸す・駐車場にしてしまう
色々と浮かぶが、何をどうしたものか...。
ここで一つポイントがあります。
それは、どの選択をするにしても測量をしておかないと『何もできない』ということです。
それぞれのケースについて考えてみます。
①
等分して残す
今回は50坪ずつに分けますが、土地の面積を正確に算出し、境界標を入れ二つに分けたことを法務局へ登記申請をすることで完成です。
こうすることで、栄吉さん亡き後、二人の息子が争うことなく相続可能となります。
②
売却・贈与
隣接地との正確な境界標が存在していないと、売却は難しいでしょう。
昨今、隣接する方との境界トラブルが多くなっていますので、トラブル回避の為に買主が測量を要求することはおかしくありません。測量と法務局への登記申請は必要不可欠となります。
売却し現金化することで、場合によっては節税対策となることがあります。駅に近いマンションを購入することで節税対策に繋がり更地で土地を所有しているより選択肢が広がります。
また、ある一定の条件を満たし、決められた範囲内であれば贈与税はかかりませんので、生前に少しずつ息子達に渡していく手段もとれます。
③
建物を建てて貸す・駐車場にしてしまう
相続税は、土地の使用状況によって課税価格が変わります。
居住用、駐車場、畑や田んぼ等、土地の使用方法は様々ですよね。
そんな中、更地の状態で相続する方法は一番税金が高くなるのです。
相続の際に、アパートや駐車場として使用していることで、税金の軽減措置を受けることが可能になりますので、息子達の負担は軽くなります。
悩んだ結果、栄吉さんは①半分に分ける方法(分筆登記)と③建物を建てて貸す(アパート2棟)を選び、土地家屋調査士によって、100坪の土地の悩みは解決しました!
ここまで、3パターン紹介させて頂きましたが、皆さんならどれを選択なさいますか?
今回ご紹介させて頂いたものは、代表的な例ばかりです。
一概にも、上記3パターンで話がまとまるとは限りません。
それぞれのご事情や状況によって対応措置は変わってまいりますので、今後の土地活用や相続対策に関しては、ご自身で考えるだけでなく当事務所へ一度お問い合わせ下さい。
※栄吉さんは実在の人物とは一切関係ありません。今回の設定は事務員田中の空想です(笑)
ユニバーサル総合事務所 田中
ユニバーサル総合事務所には何が頼めるの?(その2)
2015年7月 9日
皆様こんにちは!事務員の田中です。
前回の更新からだいぶ日が経ってしまいました。
これからは、定期的に記事をUPしていきます!!
さて、前回、当事務所にはどんなことが依頼できるのか?の中で司法書士についてお話させて頂きましたので、今回は続きから書かせて頂きます。(前回の記事はこちら)
☆土地家屋調査士☆
こちらは、読んで字のごとく『土地』と『家屋(お家)』について調査する人のことです。
でも、調査って何をどうやって調査するの?という疑問に私がお答えいたします!
一言で言いますと、計測です!土地や建物を測って法務局に申請します。
簡単に言ってると調査士の先生から怒られてしまいますので、きちんと説明させて頂きますね。
土地や建物は、前回登場した法務局という所に設置されている登記簿謄本というもので管理されています。
土地の登記簿謄本には、土地の所在、面積、所有者等の情報が掲載されています。
ですが、これを見ただけでは土地がどのような形をしているのか、分からないですよね?
それを図面で表しているのが地積測量図というものです。また、公図という土地の地図もあります。
さぁ、おまたせしました!ここで登場するのが土地家屋調査士です。
土地家屋調査士は、土地をミリ単位まで測量し正しい境界の位置を見つけ出します。
また、土地を分割したり、合わせたりする分筆・合筆の為の測量を行います。この測量結果を基に地積測量図を作成し、各種申請書類を揃えて法務局へ提出します。
測量は、『この区画が私の土地です。』と法務局に認めてもらう為の根拠になるので非常に重要な作業となります。
その他にも
・建物を新築したり、取壊したりした際の登記
・土地の面積や地目に変更が出た際の登記
を主に行います。
取扱業務としては少なく感じるかと思いますが、測量をしておくことで接地人との不要な争いを防ぐことができます。
何より、広い土地をお持ちの方や複数の土地を所有されている方には重要なキーポイントになるんです!!
このキーポイントは次回ゆっくりご紹介させて頂きますね。
ユニバーサル総合事務所 田中